一般社団法人 獣医療法食評価センター

療法食とは

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療法食とはAbout

療法食の歴史

療法食は、特定の疾病または健康状態にある犬猫の食事療法に利用することを目的としたペットフードで、米国で実用化され、我が国でも30年以上にわたり、家庭動物診療の分野で広く利用されています。

療法食は、栄養成分の量や比率を調整又は特別な方法で製造され、食事療法において獣医師の診断・指導に基づく給与を意図したフードです。
その栄養特性は一般的な健康維持食とは異なるため、長期間の不適切な使用は健康を脅かすリスクもあり、諸外国では一段厳しい管理体制がしかれています。

1940年代
米国で実用化
1970年代
日本での導入が本格化
1994年
欧州で栄養特性に関する法律が制定
2005年
豪州で事前登録制度が導入
2008年
ペットフード安全制定法

国内の主な関連法規

ペットフード安全法

犬猫の健康被害防止の観点から、ペットフードに混入する恐れのある有害物質について基準規格が定められています。栄養に関する基準は定められていません。

景品表示法

公正な競争の確保と消費者保護を目的とした法律。「ペットフードの表示に関する公正競争規約」は、景品表示法に基づき、事業者団体(ペットフード公正取引協議会)が定めたペットフードの表示に関する規則。この中で、一般的な健康維持食に関する栄養基準が定められ、事業者自らが評価する制度が運用されています。

医薬品医療機器等法

療法食や健康維持食にかかわらず、ペットの食事であるペットフードにおいて、医薬品的な効能効果を標榜する表現は禁止されています。

安全で効果的な食事療法のために

近年、インターネットの普及に伴い情報発信や流通の多様化が進む一方で、療法食の取扱に係わる懸念事項も指摘されています。
このような状況のもと、2011年に公益社団法人日本獣医師会が設置した「療法食の在り方検討委員会」の調査において、獣医師の診断指導を伴わない使用や、長期間の不適切な使用による犬猫の健康被害事例(腎不全、尿石、栄養失調)などの実態があらためて確認されました。
2013年に同委員会がまとめた報告書では、安全で効果的な食事療法の実践に向けた今後の取組として、次のことが提言されています。

  • 臨床獣医師が利用可能な食事療法ガイダンスの整備
  • 臨床栄養指導に関する動物看護師の教育機会の拡充
  • 飼育者への教育啓発の拡充

なお、これらの提言の実現に向け、療法食基準の必要性に加え、市販製品の客観的評価や適正使用を推進する体制の整備にも期待が寄せられています。